ささブロ

鍬を置いて、山を降りた人

失敗を考えながら

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芽傷処理、間違ったところに傷をつける芽が出なくて大変なことに!

 

今シーズンの剪定を終え、そして芽傷処理へと移行しました。ようやくといったところでしょうか。葡萄とスモモの剪定。合わせて2町歩半いかないくらい。例年ですと2月の中旬くらいには終えている剪定なのですが、今回は3人体制のところを師匠と2人で。私のおてて達がんばりました。私たちの畑はすべて短梢栽培。長梢剪定よりは迷わずバシバシ切ることができるけれども。ハサミを動かす回数は多いわけでして。2月の中旬。寒くて指先がコチンコチン。指が痛くてまあ大変。それも後半になればなるほどに太陽の光に助けていただきまして、一人頭1.5倍時間。枝の本数を切ったわけですが不調も特になく。乗り切ることができました。

 

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芽傷専用

 

剪定が終わると、芽傷処理、粗皮を剥ぎ、お薬まきまき、苗の定植を。そんなことをしているうちに、スモモの花が咲き出して花粉の採取。受粉をして・・・。おっと。葡萄の萌芽が始まって芽かきをして、誘引して、房作りして、粒抜きして、袋かけて、収穫して、肥料撒いて・・・。ってまた剪定に戻ってくると。春が訪れるとあっという間に果樹が成長して実をつけるので。振り回されているうちにあっといまに時間が過ぎていくんです。そうして、収穫後にあっという間に収穫が終わりましたって書いているんですよ。きっと。

 

 

さて。先日あるイベントにて新規就農者向けの相談会なるものに参加してきました。なんとも今回は相談を受ける側として行ってきたんですよね。なんだか不思議な感じ。こんなこと初めて・・・。ん。よくよく思い出してみると前職の時も母校の専門学校の卒業制作発表会とか、OBとして話をしてたりしていたんだっけ。なんて。

 

こうセミナーやら、相談会やらで色々と質問を受けたり、応えたりしてくうちに。この人に何を与えることができるだろうか。何かを得てもらうにはどうしたらいいか。って考えることがほんの少しできるようになりまして。

 

 

「あなたはどうしたいですか。何がやりたいですか」

 

 

その返答にたいして、私からはこんなことを教えることができます。それを実現するためには◯◯や□□のような方法がありますよ。私はこうしてきました。ああしてきました。それで今この状態にいます。それが全てなんだろうなぁってことなんですよね。私のフィルターから通した。「いいこと、悪いこと」「うまくいったこと、うまくいかなかったこと」があるだけで。あれもこれも知ってる知ってるという従来の私のダメダメ加減が思い出されて苦笑いなのですがw

 

 

偉そうに書いている私もきっと「あなたはどうしたいですか」って学生の時やら新入社員のときに聞かれたら、答えに窮しているのが容易に想像できて冷や汗ものなのは内緒ですが。ようやく私も色々なことに自分でGOを出すことができてることを実感いたしました。

 

 

冬の時期の仕事は個々に作業をしているので。農作業のお供のオーディオブックを聞くのがはかどってしまって。より楽しく作業できております。ちなみに今聞いているのこちら。

 

  

www.febe.jp

 

 

色々なところで紹介されている名著なので、読んだことある方も多いかもしれません。聞いていると過去に日本が関わった戦争から、なぜ失敗したかを学べるというところでしょうか。

 

読めば読むほど(聞けば聞くほど)にうんうんと。う。会社の上下関係、職場環境。学生時代のクラス、先生と生徒の関係など。似たようなことがあちらにもこちらにも。一つ飛ばして二つ先にもあってびっくり。それがまた私の苦い体験にも通じたりして。記憶の底から上がってきては、また落ちていく感じ。

 

  • 心の中では答えがででているのに言える雰囲気ではない。言いたくない。
  • 「上官はこう思っているのだからこうしよう」という勝手な推測
  • 「相手の戦力はこの程度だろう」という楽観的観測
  • 「あいつは頑張っているのだから」という感情を優先する

などなど

 

 

日本人の特性を感じることができると同時に。場の空気を読むこと。察すること。人情といった。日本人では普通にしていること、良しとされていること?が、ことがここまで悪く働いてしまうことがあるんだぁと。

 

また失敗についての事もさる事ながら「こうして日本はどんどん窮地へ追い込まれていったんだな」ということから、自ら体験した事のない、周囲に戦争を体験した人がいない今。戦争についても知る事ができることも貴重な機会をいただいている気もします。おすすめです!と言いたいところですが。全部を聞くためには12時間以上あるのでかなり長いかもしれません。というか長いです(私はようやく折り返しでのこり7時間を切りました)

 

失敗についての本を聞いていながら、耳に集中しすぎて芽傷処理を間違えてしまって、春に芽が出てこないってことにならないように。気をつけながら元気に明日も畑で作業をしたいと思います。