ささブロ

鍬を置いて、山を降りた人

食べ物の恨み

山から降りてきています。今週の中頃に身内のお祝い事があるということで、ありがたいことに今週はお休みをいただくことができました。早めに地元へと向かうことができたので、最終の打ち合わせやら、動画の仕上げやらでてんやわんやと動いていた私も。今日でようやく目処がついて。あとは当日を待つばかりとなりました。

 

 

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君は当日はお留守番なのよ。ごめんなさいね。

 

 

そうそう。地元へ向かう時にいつも通っている山梨と静岡を結ぶ、国道52号線をのんびり、のんびり下っていた時に久々に出くわしたんです。お猿さん。身延を通過するかしないかの山あいの道のガードレールに数匹。年に1、2度目撃することがありますが、こんな場所にもお猿さんが降りてきているのだなぁと思いつつ。今年の山には食べ物が少ないのだろうか・・・と、思いを巡らしなながらその後は運転しておりました。

 

 

それというのも。農作物を生産している人には身近な問題の「獣害」というワード。最近ではTVの特集が組まれることも増えてきているそうですが。私も実際にぶどう栽培に関わっている中で、山に面している畑では、シカ?ハクビシン?による食害が毎年のようにあります。ぶどうは収穫前に袋がけをするのですが。その袋を破って綺麗にぶどうの粒だけが食べられていて。軸だけが残っているようなこともしばしば。ぶどうは熟してくると、甘い芳香を放つので、動物さんたちにはわかるのでしょうね。私も腹ペコさんだったら多分同じことをしているかもですし。

 

 

 

サルカニ合戦。覚えていますか。一度は聞いたり見たりしたことがある童話昔話。かにさんのおにぎりをずる賢いお猿さんにお口に騙されておにぎりを柿の種と交換することからはじまり。そこから種を植えて水をやっては

 

「早く芽を出せ柿の種。出さぬとハサミでちょんぎるぞ。」

 

って。半分脅しのような言葉を浴びせ続けると芽が出てきて。さらに歌うとどんどん成長して、木になり実をつけると。

 

そうしたらかにさんは木に登れなくて、困っていたところに、ちょうど見計らったようにお猿さんがでてきて「とってあげるよ」って。そうしたら自分は熟した実を食べて、かにさんたちには青い実を投げつける暴挙に出て、その後、かにの子供達と栗、蜂、牛の糞、臼に懲らしめられるという。「因果応報」のお話。

 

なんとも食べ物の恨みは恐ろしいとはまさにこのことですよね。

 

 

 

nihon.syoukoukai.com

 

 

 

当事者だとよくわかります。芽が出る前から肥料をやって、剪定からはじまり。一房一房手をかけて。いざ収穫となったところで美味しいところだけ動物に食べられてしまうわけですから。俗に言う「手間暇かけたものを・・・」と落胆とともに怒りすら湧いてきます。生活もかかっているわけですから。

 

 

近くに人の気がない場所だと。当たり前のように動物が現れます。そして畑には、電柵、ネット、ワイヤーなどで農作物を守っている光景が当たり前になってきています。その光景をみれば、ああ◯◯から農作物を守っているのだなぁと、だいたいわかります。私の地域では実際に食害などにあってしまった例を聞いてみますと。クマ、シカ、サル、イノシシ、ハクビシン・・・。私の知らないだけで他にも多く被害があるのかもしれませんが。

 

 

実際に農林水産省が出している統計もあったりして。

 

農林水産省/全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(平成25年度)

 

http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_zyokyo2/h25/pdf/150123_c.pdf

おっ。

アライグマ?マングース?も統計に入っているんだと初めて知りましたが。

 

 

野菜類に並んで、果樹。相当な被害がでています。

 

ぶどうは果樹なので、果樹の部分をみてみると(被害額)

 

上から・・・

 

イノシシ   114,079 

カラス    94,655

サル     44,846

シカ     39,897

ムクドリ   23,066

ハクビシン  22,378

      (万円)

 

イノシシさんすごいですね。時々畑から家に帰る時に親子ずれが県道を普通にダッシュして横断している姿を何度か見かけたことがあります。葡萄では日本では棚栽培がほとんどなので、イノシシの害は少ないとは思いますが・・・。

 

http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_zyokyo2/h25/pdf/150123_e.pdf

 

被害の推移をみると、年々減少傾向ではあるようです。もしかすると、何かしらの対策を人間がとったかもしれないし、動物達の生息域での変動がよい傾向なのかもと想像いたしますが。

 

こうした現状を目の当たりにした時に。あなたはどう思いますか?

 

動物を駆除しなければならないと思う人もいるかもしれないし。

いやいやそんなのは人間のエゴだよ。人間の都合で動物を駆除するなんてけしからんという人もいるか。

 

いい悪いということはないのですが。

 

 

 

私は駆除しないと・・・ってならなければいけない?側なのかもしれませんが。普段お家では自然のドキュメンタリーを好んで流していて。なかなかそうは思えないのです。

 

bbcearthjapan.jp

 

 

最近見た中では、地球温暖化によって北極の氷が溶けてしまい。シロクマが災難になっているとの話をみました。シロクマは雪の上にのって、アザラシなどを狩るそうです。しかし近年では夏に近づくとシロクマを支えるほどの氷はないので、自由に動けないと。なので、この時期に狩るはずのアザラシを追うことができないって。そうして最近のシロクマは氷の上を歩けないので、泳ぐしかなく。泳ぐことが上手くなったと。しかし食べ物はなかなかみつからない。仕方なく陸に集団でいる危険なセイウチの群れに目をつけて、セイウチの子供を狙うのですが、返り討ちにあってしまい。歩くこともままならず・・・。そのシロクマは年を越すことができないだろうと。

 

 

果たしてこれは誰のせいなのでしょうか。

 

 

このシロクマさんには氷が溶けてしまって大変だ、困ったと感じているかもしれませんが。温暖化のこと理解できません。もし原因が人間のせいだったと(仮定)しても。それをしるすべはありません。訴えることができません。知らないということは人のせいにはできないし、そんなことを言っている時間はありません。その時その時の環境に順応するしかないのです。

 

 

結局、権利を主張しているのは人間だけ。主張をできるのは人間だけ。だから◯◯のせいにできるのは人間だけで。それはそれで、なんとも恵まれてるとも思ってしまったのです。なんだかんだ、厳しい、大変とか多く場所で耳にしますけど。少なくとも日本に住んでいるのであれば、大半の人は選択したことは実行できるし、選択をしないという選択を今できている現状をみているだけでも恵まれているなぁと。

 

 

いつもどおり、いったりきたりのよくわからないことを書いておりますが。動物たちと共生していくという言葉がとっても人間視点だなぁと感じてしまういます。当の私も動物たちからみたら「お前も人間だろ」っていわるのでしょうけど。

 

 

秋に植えた蕪は、若芽を虫に食べられてしまい難しそう。でももうそこには食べていった虫の姿はありません。まだ間に合うと聞いて、もう一度植え直しました。悲しんでいても、怒っても蕪は生えてきませんから。