ささブロ

鍬を置いて、山を降りた人

飽きないワケ。

今日は暑かったですね。そんな中、昨日引き取ってきたメルローの苗の植え付けをしてきました。スコップ、鍬の出番なわけですけど。暖かな陽気を通り越している日中にはかなりいい運動量だったようで汗もだらだら。未だ作業用のシャツの下にはヒートテックを忍ばせているのですけど。今日は完璧に要らんかったです。多少は薄着にすれば快適に仕事ができるとは思うのですけど。今の時点で暑いとか言っていたら夏とかどうなっちゃうのだろうって。

 

f:id:riki-yan:20150317210507j:plain

 山間はさんさんと日が降り注いでました

 

あくまで今の時点のお話ですが、例年に比べ7〜10日ほどぶどうの生育も早いそうです。収穫のシーズンまでには生育の遅れなどが起こったりして誤差の範囲も縮小していくとのことですけど。今年は暑いんじゃないの?とか。勝手に想像しています。どうなるんでしょうね。

 

f:id:riki-yan:20150317210525j:plain

メルロー。うえちゃいますよ。

 

 

師匠からは時々聞かれるのですけど

 

「この時期の仕事は地味でしょ。ずっと同じことをやっていると飽きてこないかい?」

 

みたい季節の移り変わりで新しい仕事に変わって楽しくできるのは初めだけ。その後はすべての畑に同じ作業が終わるまでは次の仕事には移れないわけです。畑が何枚もあるのでそうなるのはわかっていることなんですけどね。

 

そうはいっても、すべての木樹の様子って違うので、単純作業のようで全部違うように思えるのですけどね〜。何よりもわざわざ移住して、モノ好きで葡萄やっている事もあるので。やりたいことをやっているからこそ「飽き」がこないのかなとか。もしかしたら、私はまだ1年経ってないので「飽き」の部分って感じないのかも? 数年関わったらそういう気持ちも生まれてくるのでしょうか。なんか私の場合は他に楽しいことを見つけてしまった時が「飽き」に直結しそうで、今から怖くて仕方ありません(笑

 

ちなみに、ここしばらくの仕事はこんな感じ。

 

穴を掘る

堆肥と土を混ぜる

苗を植える

支柱に固定する

土をかぶせる

水をかける

土をかぶせる

水をかける

藁をかぶせる

 

この繰り返しです。

 

多分70本くらい(覚えてない)苗が合ったはずなので、70回はこの作業をしているんですよ。一箇所あたり多分30回くらい鍬を振り下ろしてたとすると、2100回くらい腕に負担をかけているんです。そりゃあ、腕の筋トレばかりしているわけですからね。筋肉がついてしかたないですよね(正直あんましだけど)と、計算してみると面白いですね。なんか。

 

f:id:riki-yan:20150317211046j:plain

休憩はしっかりしてます

 

 

でも植える事が終わりではありません。これから数年かけて成長していきます。それもちゃんとした実がつくまでは5年は待たなければいけません。5年ですよ5年。その間に色々なリスクにさらされていくんです。病気にもなる、虫・動物に食べられる、悪天候にさらされる。中には枯れてしまうこともあるでしょう(全部枯れてしまったら。向いてないので。そりゃあ黙って故郷に帰る)

 

こんなにたくさんのリスクが合っても、着々と葡萄は育っていくわけですよ。植えられた場所も良い条件かどうかもわからないし、美味しくない(栄養分のない)土かもしれない。それでも一切文句を言わないで順応して育っていくんです。なんて素晴らしいことでしょうか。植物ってすごい!

 

それに比べて私は・・・ブログを振り返れば、冒頭に、暑いだ。寒いだ。調子が悪いだって。何様だよお前!温室育ちか!って。先月で言えば雪の中で作業している時とか脚がめちゃくちゃ冷えてどうしようもなかったのですけど、葡萄は氷点下にもなる寒い屋外で、雪にも埋もれたりしているんです。もうかないっこないですって。完全に降参。

 

なんて、わちゃわちゃ書いてますけど。一人でもくもくと作業しているときは思考の整理の時間で、こんなことを考えながら作業をしてました。それだけの苗を植えていれば、自然に思考モードに入ってしまう。そういったことを考えては鍬を振り下ろして。また考えて。鍬を振ると。ながら仕事みたいになってて、もうあっという間に一日が過ぎてますからね。いよいよ農民になれたのか、なりきれてきたのか。わからんですけどね。楽しすぎるよね私って。

 

だから同じ仕事をずっとしてても飽きないのではなくて。同じ仕事をしながら、毎回考えることが違うから飽きないのでしょうね。きっと。だから「同じことをやっていても飽きなんですよ」って。いつも師匠には話をしています。だって師匠にはわからんですから、私の頭の中は。そんな私はやっぱり農業にむいていたのかもしれません。