ささブロ

鍬を置いて、山を降りた人

佐々木の日

今日は診察・検査のために山梨へ。今回は前回の抜釘手術のあとに、骨に残ったネジ穴がしっかりと再生しているかどうかの確認でした。

 

もうなんども病院にかかっているので、受付を済ませて自らレントゲンをとる部屋へ出向いて、上着を抜いて一枚、二枚と、計七枚くらい。なんだか最近はレントゲン技師のドラマがやっているせいか、なんかスタッフの動きが気になったのが、私もミーハーなのかもって。

 

そのあとに担当の整形外科の先生の元へ。まだ痛みと違和感は残っているのでその件を伝えて、今後のリハビリの有無などを一通り聞いたあとに、これでこちらの病院の診察は終わりになりますと聞いて、あっと今に一年ちょっとたったのだなぁと感じたのですが。そのあとに。

 

「障害の診断。受けておきましょうか」

 

そういって、先生が説明してくれたのです。「障害」って聞いた瞬間にきっと肘のことをさしているのだろうなって。

 

私はもう普通に生活できているし、多少の不便なことはあれど意識上からは消えていたのですが、受けておいたほうがいいということなので、再度夏に診断を受けに行くことになりました。心の中では消化できているのだけれど。いざそうやって障害の診断という言葉を受けると。なにか感じるものがありました。まだ終わっていないんだなって。

 

さて、話は変わって。診察を受けたあとには、まずは五味醤油さんでお味噌をしっかりと買い込んで、そのまま甲府から山梨市方面へ。友人が喫茶店を来月オープンさせると聞いていたので、顔を出してちょうど昼時だったので、お昼を一緒に食べてきました。

 

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塩山館食堂の「特製湯麺」

 

 

その友人とは私もかつて住んでいた、お湯なし、シャワーなしの古ぼけた団地に住んでいたんです。つい先月勤めていた勝沼のワイナリーを退職して、団地からも抜けて喫茶店をオープンするんです。

 

そうして、もうひとり同じ団地でワイナリーに勤めていた友人がいたのですが、彼は北海道へと自分のワイナリーを作るべく、修行へ行きました。当然団地を引払い済み。

 

かつて団地の誰かの家で定期的にワインを傾けて語り合った友人はひとり残るのみとなりました。

 

かつて同時期に山梨県山梨市にたどり着いた友人が私を含めてこの一年の中で散り散りになったのは、なんだか不思議な感覚でした。その友人たちからは「佐々木君が抜けていったのもあるんだよ」といわれて、それぞれにいろいろな夢や理由があって団地を抜けたのだろうけれど、その小さな小さな発端を作ったのは私だったのかなぁとも(うぬぼれです)

 

その後は、近況の話をしていたら今度共通の友人であるワイナリーのお話になり。今度ワイナリーで出張して珈琲を提供するんだ〜と話をきいて。おお。ちょうど今日行こうと思っていたんだよ〜と盛り上がり。珈琲豆のお土産を車に乗せてワイナリーへ。

 

そうしてワイナリーに行くと、いつもと変わらない姿で店頭にたっていたんですよね〜。「おおおおお〜」「よくここまで戻ったね〜」と暖かい言葉で迎えてもらって、なんだか恥ずかしような。去年は一度もいけて無いので、1年半ぶりに訪れたんですよね。そうしたら、私の事故はメディアに名前と共に掲載されていたらしく、事故があってからは農業機械に乗る際のルートを変更したり、ご家族にも注意を促していたらしいのです。

 

ちょうどその時に、他のお客様がいらっしゃっていてその方たちのとお話に混ぜてもらいながら、いつの間にか1時間半くらい時間過ぎていって、そうしているうちにお母様たちが仕事の休憩にいらっしゃって、珈琲とお菓子をいただいて、また1時間。やっぱりここは居心地がいいみたい。山梨に行く機会は減ってしまうので、ワインを買い込みます。

 

そうして、ちょうど一緒にお話していたお客さんは歩いてワイナリーを回っていると聞いたので、私も他のワイナリーを回る予定なので、ご一緒しますか?と、旅は道連れ。とりあえず、私の目的のワイナリーへ向かいました。そこでまた試飲をされていたのですが、そこでもなんとも美味しそうにワインを飲んでいて、お話をしているとなんだかとっても山梨のワインを気に入ってくれたよう。不思議と私も嬉しい気持ちになって、もう一件ワイナリー行きましょうか?ともう一件、立ち寄ってまた試飲をしてもらって。気に行ったワインをもう一本購入の運びとなって。またなんだか嬉しい。

 

その後はタクシーで駅まで行きますからってことだったんですけれど。

 

 

買ったワインを贈答用にするようで最後にスタッフさんとお話をしていたんです。そうしてスタッフさんが「熨斗はいかがいたしますか?」と内熨斗、外熨斗の希望を聞いてそのあとに「お名前はどういたしましょう」とスタッフさん。

 

「佐々木」でお願いします。

 

 

お名前も聞かずに、ご案内していたのですが。まさかの同じ苗字。

 

その後しばらくして。

 

 

「ああ。私も 佐々木 なんです。」って。

 

 

 

なんだ。今日は「佐々木の日」だったのか。

 

不思議な縁だなぁって思って、駅まで送り届けることに。

 

そうしてお話を聞いていたら、なんだか体調を崩していた時期があったようで。やっぱりそういう経験があると、価値観。変わりますよねって話なんかをしていたら、あっという間に、駅へ到着。

 

今頃はきっと、甲府で楽しく飲んでいるはず。

 

今日の山梨からの帰り道。

 

「一期一会」という言葉がふと浮かびます。

 

それと共に「人に施した善行は忘れなさい」という言葉。

 

それでも、今振り返ると「やっぱりちょっといいことをしたかもしれない」って、ホクホク顏で帰り道車を運転していたであろう私。自分はまだまだだなぁ。

 

それも含めて、今日はやっぱり「佐々木の日」