ささブロ

鍬を置いて、山を降りた人

貸し借り

今日は農業委員会へと足を運びました。なんでかといえば葡萄を作るための畑をさがしているから。農業委員会とはなんぞやっていうのは調べてくださいなというか、なんとも説明がまだできないので調べてもらいたいのですけれど。一応は行政の一組織というところでしょうか。私の地域では各地区ごとの代表を三年の任期で選出しているそうで。私は今回土地を借りたいという「借り手」とすると、農業委員会さんは「借り手」「貸し手」の間に入って調整をしてくれる。という位置付けでしょうか。

 

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 たくさんの知見をいただきました。

 

農業委員会さんで色々な方とお話をしていて。やっぱり実際の作り手の皆さんからお話を聞くのと、現地に住んでいるわけではない人があれやこれやと言っている事とでは、大きな隔たりがあるのだなぁとつくづく。農地集約化だとか、もっと効率化だとか、ドローンがなんとかとか、これからはIotだとか、JAさんがああだこうだとか。ご高齢の方がなかなか頑固で土地を貸さないだとか。

 

確かにおっしゃることは御尤もなことかもしれないし、現地で働く人たちの工夫も必要かもしれない。でも結局ほとんどが批評家になっているだけなのかなぁと。今は人それぞれにある程度の自由があって、生き方にも様々な選択ができる時代なので。その人がどんな生き方を制限できないよなぁと。もし本当にアイデアがあって、もっと良くできると思うのであれば、実行してくれる人を探すもよし、みんなやりたいことで生きていきましょうって。

 

 

今日は農業委員会の役員の方ともお話ができたのですが、一般の方が知っているような有名どころの品種(生食葡萄)は種なしが主流になっていて。種ありから種なしへシフトした品種についてはじりじりと生産量がさがっていて。出荷量の推移をみるとやがて種あり葡萄は市場に出回るものはなくなっていきそうなのではという感じ。

 

 

消費者さん:お子さん達は葡萄は種がない果物との認識も広がっている

青果市場 :種ありは運送の面、日持ちしないなど品質の維持がしづらく扱いにくい

生産者  :価格の差があり、収穫から出荷までに時間的余裕がない。手間がかかる

 

 

あくまで一部をかつまんで例をあげているけれど。他にも市場に最適かされていった野菜はたくさんあるわけで。よく聞く話ではきゅうりとか。昔とくらべて「艶があり、イボがなく、色が濃く、見栄えがよく」なんていいことだらけに見えて。ただただ硬いだけ。なんて言う方も。確かに私自身も畑でつくる昔からのきゅうりの品種だと。イボが刺さるくらいに痛いし。粉がふいているし(ブルーム自分自身を守る)、日持ちしないしっていうけれど。明らかに食感が違っていて、パリッとではなく。シャキシャキ、シャクシャクって感じ。味も野性味がある感じ(あくまで私の実感で)

 

 

そうそう。以外も山梨の葡萄って関東都市圏にほぼ出回っているかと思いきや、関西方面にも多く出荷されているようでちょっとびっくりでした。関西方面では有名な葡萄の産地として大阪、岡山があるので。そちらの葡萄が食べられているのだとばかり。

 

 

 

私は現在新規就農者という位置にいるわけですけれど。畑を借りることに限らず大変だ!と周りで言われることが多々有ります。って、新規就農者というところにもいろいろあって。

 

近縁(親が生産者等)に農業を生業にされている方がいる場合

  • そのまま事業継承する
  • なんらかの理由により、家族、親類などが事業継承する(Uターン)
  • 農業系の学校を卒業して、独自に就農をする。

 

近縁に農業を生業にされている方がいない場合

  • 農業系の学校を卒業して就農する。
  • 農業生産法人などへ就農(雇用される)する。
  • 上記などで技術習得をしたのちに独立する(←私はここに向かっている)

 

違う土地からきて、農業未経験の方が大変ということですね(当たり前ですが)

 

 

農業へたどり着くルートって色々あると思うけれど。私の場合は近縁にも農業をされている方がおらず。農業学校にも入ることもできず・・・と。ほんのちょっぴりだけ大変でしたが、運良く今の師匠に拾っていただいたというところでして。運というか、縁という要素も結構大きい気もします。就農者さんの話を聞くと、あれよこれよと畑を貸してもらえた、住む場所が見つかったなんて話。あるあるですから。

 

 

今のところ自分が思った通りかどうかわからないけれど。徐々に思い浮かべていた場所へ導かれているようにも感じます。醸造用の葡萄の苗を新たに植えて、栽培することにもなりそうですし。運がいいのかもしれません。縁に恵まれているのかもしれません。 はたから見てどうかは別として。自分でそう思えること、感じることが。新たな縁を呼んでくれそうです。

 

 

さて。先日は下の畑にいって。堆肥を播いて畑をならしてきました。春が近づいていくごとに、あれもこれもと野菜の種を植えている自分が浮かんできます。今年で野菜作りも三年目。こちらもより美味しい、良い野菜を収穫できるように。楽しく桑を降りたいと思います。

 

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