ささブロ

鍬を置いて、山を降りた人

手をかけると返ってくる

ひんやりした空気がとっても心地よく感じる朝でした。なんといっても空に雲がまったくない、これぞ快晴っていうんだよなぁと。空気もとても澄んでいたようで遠くの景色まで見渡せていてとても爽快に一日をスタート出来ました。実は、毎朝同じように心地よい朝を迎えているのに、気づいていないのかもしれないですね。そう思うのも、前日はやけに疲れたためか、21時に就寝したので余計に気持ちよく感じたのかもしれません。

 

週初めには蕾が開いていなかったすももの花は、連日の好天で満開になっておりました。ということはお楽しみにしていた人工授粉の作業の時期が来たということです。混ぜのブログでも少し触れましたが、先に受粉するための花粉は採取してありまして、すでに開葯させているので準備万端。意気揚々とすもも畑に向かいました。

 

 

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ホワイトとグリーンの淡いコントラストがたまりません

 

今回人工授粉をするにあたって、花粉をそのまま花につけていくと思ったら。正しいのだけれど果樹の人工授粉に欠かせないものがあるようで。それが “石松子” なるピンク色の粉(検索してみて)その石松子と花粉をまぜまぜするんですよ。なんかね、調べてみると花粉増量剤として知られているようで、ヒカゲノカズラ?っていう植物の胞子をピンクに着色しているようです。私からすると想像しやすいのはピンクのチョークを削った粉が一番見た目が近くて想像しやすいかなとか。

 

まぜまぜした粉を専用の道具というか、先端が球体状のふわふわしたものにつけて花に「ポンポン」ってつけていくんです。けどね。なんかね頼りない。本当に花に花粉が付着しているのか、していないのかわからない。一応花がうっすらピンク色がつくのですけど。心配になって何回も「ポンポン」しちゃうんですけどね。

 

そうしていて心配になってきた私は本当に付いているのですかね?って聞いてみたんです。そうしたらですね。師匠いわく

 

自分も初めてやった時心配になって、何度もつけていたのだけどね。そうしたら実がつきすぎてたいへんなことになったよ」

 

って笑いながらお話をされていました。

 

 

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いやぁ、はじめの方は結構しつこくつけてしまったなぁとか。思っていたのですけど。見がつき始めたら「摘果」といって、多くついた実を落としたり、実と実の間隔が狭いところを調整する作業があるんです。だから大丈夫だよってことで。去年はその摘果は経験しているのですけど。やっぱり人工授粉を自分がやった後に、本当に実がつくまで疑問は晴れなさそうです。しつこいですが、本当に心配ですw

 

その後に師匠と休憩中に話をしているときにちょっと気に止まった話が合ったのですけどね。

 

「植物って反応しないから無機質っぽく感じていたけど、人工授粉は人が手をかけている事がはっきりわかる作業だから、この作業によって実がつくのをみると、やっぱり植物って生きているんだなぁと思えるしさ、手をかけるとしっかり反応してくれるって実感として感じるよ」

 

なんて事を言っていました。私はまだ農業に関わって一年立っていないですけど。やっぱり作物というか植物に対して、人間ができることとできない事があったり、自然の力の凄さと怖さもなんとなく理解するようになってきました。だからこそ、四季の変化を五感で感じることができるし、小さな変化も目につくので、普段の生活でも小さなことでも喜びを感じやすくなってきている気がします。もしかしたら、「ヒト 対 自然」だけでなくて、「ヒト 対 ヒト」の関係にもしっかり手をかければ反応って返ってきますもんね〜。もちろん良いも悪いも。

 

そんな事ばかり言っている私なので(ブログを読んでいただいている方もそう思うかしら?)、時々友人にこういわれるときもあります。

 

「農業って単純作業じゃないの?毎年同じことやっていたら飽きちゃうし、つまらないでしょ〜」

 

とか。

 

私の知る限りでは毎年、毎月と違うし、更にいえば毎日違うんですよね〜と強がってみます(あくまで予測で書いてます)

 

あくまで私の個人の意見で言えば、仕事は色々やっている人でも、サラリーで働いていると、春夏秋冬かわらず、同じ時間に出社して、同じ時間に帰るのでなんか一日のライフサイクルはよっぽど単純だと思うけどなぁと思うのだけどなぁ。最近も本屋さんの雑誌売場で「仕事もプライベートも充実させるためには〜」みたいな文字が表紙に踊っていて。そんなこと言ってるから仕事とプライベートをわけて考えるし、枠組みにはめようとしてるよねこれ〜なんて。色々と内心では悪いと思いながら、こっそり思っているのが本音です。

 

だってね。本来人間も自然のサイクルの一つにしか過ぎないわけで。偉そうに(私を含め)生きていますけど。すべての生き物の頂点に立っているわけではないし(理科で習った気がします)それって幻想だし。それって“不自然”なんですよきっと。そう思います。農業とかは生育が早まったり、病気になったりとかして、その都度手をかけて挙げなければならないので、翻弄されているようにも見えますけど。逆を言えば自然に合わせて生きている」ってことだと思うのです。だから飽きないのです!ってつなげたいところですけど・・・いかがかしら。

 

 

また変なコト言ってるよって変人やら仙人やら知人に言われそう(私もそうなってしまったかもって思い始めてますけど)なのでこれくらいにしておきますが。ますます自然と一体化している気がしてなりません。それも気持ちのよい春の陽気がそうさせるのでしょうか。

 

人工授粉の作業は楽しい作業でしたけど、ずっと首だけ上を向いていたので首周りがぱんぱんです。明日に疲れが残らないように、今日はそのまま就寝です。お疲れ様でした。