ささブロ

鍬を置いて、山を降りた人

憧れとよそ者の感覚

朝から雲がおもたい。それでも三時くらいまではなんとか雨だけは免れることができました。雨が降るとぶどうさんたちに栄養を与えても流れしまうので、本日の作業は1日穴掘りをしておりました。なんの穴掘りかっていえば。春に新しく植えるぶどうの苗用に穴を掘っていたんです。

 

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 水の吸い上げが始まってます。

 

直径1mくらいの範囲を、深さ0.5m以上掘る。スコップと、鍬を使ってとにかく掘る。ええかん腰が痛くて結構ハードな作業。ぶどう畑にはワイヤーを棚に張り巡らしているので、振り上げることができないので鍬の先に力が入らず腰を入れてやるからより負担が。

 

でもね。ただただ穴掘りをしていただけかって思われるかもですけど。今日は面白い発見がいくつもあったのです。掘っているとね。畑それぞれの土の状態がなんとなくわかってくるんですよ。

 

河原に近い畑は石がとにかく多い、鍬を振れば石に当たるくらいの勢い。

 

南向きの山の斜面の畑は土がすぐにこなれるというか、細かい感じ。南側に富士山があるので、昔火山灰が積もった場所とのことで、土もやや黒目。の火山灰土とのこと。

 

北向きの山の斜面はなんだか粘っこいというか、粘土まではいかなくとも鍬を振り下ろすと土が塊で掘り起こされる感じ。また硬い印象。

 

まだまだ未熟な素人の視点ですけど。それでもわかるのですよ。掘った時の感触、触った感触、色、口に入れてみるみたいにね。はじめの畑の時には、いやぁ今日の仕事は体にこたえるなぁと思って始めたのが正直なところでしたけど。畑を移動するに従って、全部の畑が違うと。いやぁ〜すごいぞって。途中から土に興味がいくことで楽しくなてきちゃって。

 

ワインエキスパートの試験勉強した時。世界の名だたる銘醸地の土壌の特徴について勉強したことを思い出して。それを思い浮かべながら「この畑にはやっぱり、◯◯のぶどうを植えるといいのかも」「さっきの畑は◯◯の品種はむずかしいのかな」って勝手に頭で想像してたら、多分ニヤニヤしながら土を掘っていたのかもしれません。そうやって頭の中で知ったかぶりをしながら仕事をして、勝手に幸せな気分になっているから楽なものですよ。

 

そうやって色々な畑をみれるのは楽しいのですけど。実は今のお師匠さんは、県外か就農した経緯があって、色々な場所に畑を借りる形になっているのです。要は、まとまって大きな畑を借りることはできない、借りれる場所がないから。なかなかいい条件の畑は空いていないので、はじめは苦労したとの話を聞いています。そうなるとどうなるか。条件が良くない、耕作放棄(それも長年放置されている場所)、日当たりの悪場所とか。はじめはそういったところになってしまうとも。

 

 

農業をやりたい!!って地域に相談にいって「覚悟が必要だ」「大変だ」って散々言われてきて、畑が借りれないとか、散々な土地を割り当てるっていうのは、農業を新しく始めるぞ!って覚悟に対しての対価としてはどうなのよ。というか、覚悟の種類が違うよね〜って。なんか師匠の苦労話を聞いていたら、そんな風に思いました。

 

 

そう思うのも、最近感じている「よそ者」の感覚からきているのかもしれません繋がっているかどうかわかりませんけど)

 

私の出身は静岡・・・なのですが、祖父母の代に東北から移住してきたんですよ。だから静岡に昔から住んでいる人ではないので、私の周囲の友達に比べて静岡への故郷の感じとか、愛着とかやっぱり弱いのかなぁとか思うわけですよ。一種の憧れなんですかね〜。U・Iターンで活躍をされている人々を見ているたびに羨ましいなぁって。

 

何かしら役には立てるのかもしれませんが。自分は「地域のため」にと言われても、ものすごいモチベーションってわかないというか力はでないみたいです。だから色々な地域にお邪魔しているのは、地域のためでではなくて「この人のために動きたい」そっちの方が強いのかも。人に会いに行ったり、面白いからという好奇心だけで突っ走ってる割合が高い。だからフットワークが軽いと言われるのかもしれませんね。

 

あくまで今の自分を、今の自分が分析をしてみたらってことなので今後変わるかもしれません。こんなことばかり書いているのも、家でも畑でも一人で作業をしていると考える時間ばかりあって、格好よく言えば「自分に向き合う時間がある」ってことなのでしょうけど。ただ頭でっかちになってしまっているだけですよねきっと。山奥で農業やっていると関わる人が少なすぎてw ますます仙人とか言われそうで将来が心配です。