ささブロ

鍬を置いて、山を降りた人

今日は初収穫でした。

何ともうれしいとはこの事で。今まではただただ観光で楽しくちょっきんちょっきんきっては、かごの中に入れていたんですよね。そう。ぶどう狩りってんで、お客さんだったのです。しかし、今回は違うんですよね。作り手としてぶどうを収穫するのですから、あくまで優しくデリケートなぶどうに傷がつかないように作業をするわけです。

 

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前にも確か書いたと思うのですが、収穫前のぶどうには袋掛けといって、虫や雨から房を守るために下からかぶせて上を針金で留めるのですね。で、今回はその針金を緩めて色づいたぶどうと感動のご対面〜ってなるわけです。が!どうも感動の再会ばかりではないのです。

 

今年は雨が多い年らしく、去年の倍以上の雨が降り注いでいるそうです。水をたくさん吸いすぎてお腹いっぱいになってしまったぶどうの実は、その水を一気にすって耐えきれずに「パチーン」って・・・実が割れてしまうのです。

 

また、菌が付着した状態の房があった場合は晩腐病といって、しわがよって実がミイラ化してしまうのです。袋をあけた瞬間にすぐにわかります。もろくなっているので、実がぼろぼろと落ちてしまいます。ああ、この房はだめなのかと本当に悲しい気持ちなりますね。

 

またまた、袋の上部に穴や、破れがあったものは食害にあっていて。見つけた瞬間にもうだめなのがわかります。私たちの周辺の畑にはハクビシンが多く発生しているからだそうです。棚の上の針金をつたっていって、ご丁寧に袋の上の部分をあけて実を食べていくそうです。頭いいんですねきっと。

 

ちょっとマイナスの事ばかり書いてしまいましたが、やっぱり自然の事なのでどうしようない。それでも淡々と自然に逆らわずにできる事がするのが生産者の使命なのだなと。

 

今までの農作業の中でもこういう事はあったのですけど。本当に自然の摂理から学ぶ事は多いです。だって人間ができる事には限界があるのですから。完全に近づける事はできるけれども、自然には勝てない。

 

よく、自己啓発書でもあるように。何かあったときに人のせい(外部環境)にしても何も解決しないといいます。まだ、人のせいにする事ができるだけ幸せだなって。だって自然にそこで逆らっても勝てないのですから。

 

しかし、だからこそあきらめも早くつくし、次に進まなければと思うわけで(もちろんいい意味でですよ)

 

まあそんなこんなで、初の収穫。

嬉しい気持ちもありましたが、現実も同時に知って、また学ぶ事も多かったなとつくづく感じました。こういう時が一番「来年こそは!」って気持ちになりモチベーションがあがっていくのかもしれません。